復興は私の使命

日刊水産経済新聞5月9日号に記事が掲載されました。

東日本大震災に思う

   鈴木俊一前衆議院議員語る

東日本大震災で被災された方々、福島第一原発事故で避難生活をされている方々に心からお見舞い申し上げます。不幸にしてお亡くなりになられた方々に哀悼(とう)の意を表します。
 私の出身地は岩手県山田町ですが、近くの宮古市、田野畑村、大槌町など三陸海岸に面した市町村は軒並み大変な被害を受けました。筆舌に尽くしがたいほどの甚大な被災です。漁港も市場も加工場も壊滅的な状況です。しかし、三陸は漁業が基幹産業です。漁業が漁村を支えてきました。したがって、一日も早い復旧・復興を願い、この地域の漁業が蘇(よみがえ)ることを祈念しています。
 今、政府も再建・復興に努力してくれています。ただ、迅速な対応とはいえません。未曾有の大震災ということに加え、福島第一原発の事故も重なり難しい局面を迎えていることは事実ですが、必ずしもスムーズな対策が打たれているとは思えません。
 その理由の一つに、私たちが政権与党の時はよい意味で、民間企業や団体との協力関係や信頼関係ができていました。したがって今回のような大惨事、一刻を争う緊急時には、こうした関係が大変役立ちました。医薬品が足りない、水や食料、毛布が足りないという時に、すぐその業界を代表する団体なり幹事社を務める企業に連絡し、必要な物資を手配してもらいました。また、行政機関とも密接に連絡を取り、産・学・官との連係プレーもスムーズに行えました。
 その点、民主党政権は官民癒着や圧力団体、族議員批判を行い、議員と関係団体との関係を否定してきました。一事が万事、批判の対象としたことが、政、官、民の信頼関係や協力関係までも壊してしまい、緊急時の対応も後手に回ったのだと思います。ここは、何よりも被災された方々の立場に立って考えるべきです。
 もう一つは官僚組織の使い方です。こうした国難に対して、最終的な判断や責任を取るのは政治です。したがって、政治家が責任をもちつつ、行政組織力、政策力、機動力をもつ官僚組織の能力を十分に発揮すべきです。政治家は官僚に使われているのではありません。「責任はオレが取るから、君たちは存分に働け」と檄(げき)を飛ばし、使いこなせばよいのです。今回のような国難には、国家のもてるすべての機能、あらゆる手段を使い対応すべきです。しかもスピディーに行わなければなりません。そうした対応に、いま一つ物足りなさを感じます。
 

 

漁業・漁村の再建・復興を信じ

   零細漁村 甚大被災に手厚い支援を

 

漁村のコミュニティー維持し対策

 私の親父(故鈴木善幸元首相)は、昭和8年に岩手を襲った津波の惨劇から立ち直るべく、村民を救済するべく政治家となり、以来、片時も水産のことを忘れることなく、水産業の発展に尽力してきました。
 また、岩手県漁港協会会長として40年かけて漁港整備に尽力し、私もその後を引き継いで会長として水産基盤整備に力を注ぎました。
 しかし、父と二代、足掛け60年にわたって築き上げてきた漁港、漁場、防波堤などの関連施設も多くが壊滅的打撃を受けました。被災し、漁村の維持すら難しい状況になってしまいました。
 阪神・淡路大震災の時は、都市災害でした。被災地の神戸は経済的基盤が厚く、大企業はじめ民間企業の自らの活力が復興をあと押ししました。しかし、今回は残念ながら沿岸の漁村が直撃されました。広範な農漁村が被災しました。多くは零細な一次産業地域です。民間の力は弱く、自助努力ではなかなか立ち直れません。ここが、阪神淡路大震災と大きく違うところです。
 したがって、国の支援を手厚くし、漁村のコミュニティーを維持しながら再建しないと本当の復興、日本の復興にはなりません。
 それでも漁業者はくじけないと思います。漁業者魂で立ち直ってくれると思います。その強い意志に応えるべく、まずは漁船、漁具を一日も早く提供して、それとともに漁港施設の修改築、市場などの関連施設の復旧を急ぎ、魚を卸せる、流通できる機能を立ち上げなければならないと思います。
 また、立ち上がりの当初、個人操業が難しければ、しばらく漁協や漁連と相談しながらグループ操業や漁船のリース方式などの対応も必要でしょう。
 肝心なことは、スピード感をもって行うことです。漁業が再開できれば、希望の光は大きく輝きます。漁業者の誇りを取り戻せます。
 ちなみに、私が住んでいたところも、津波とその後の火災で大きな被害を受けましたが、私の家は3軒前で火災が止まり焼失は免れました。大勢の方に心配していただき、ありがとうございました。私自身は大丈夫です。
 

私も全力を挙げて復興に尽くす

 また私は現在、漁船海難遺児育英会の理事長や本州鮭鱒増殖振興会の会長をさせてもらっています。現職の議員ではありませんが、引き続き水産業界に大変お世話になっています。「日本人は魚食の民です。大変なことと思いますが、水産ニッポンを復興してもらいたい、というのが国民みんなの願いだと思います。みんなの力を結集し、水産業が力強く再び軌道に乗れるようにがんばりましょう。私も全力を挙げてがんばります」と、申し上げさせていただきます。

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 <日刊水産経済新聞5月9日号掲載記事>より