復興は私の使命

特定原子力事故災害対策推進法要綱(案)

特定原子力事故災害対策推進法要綱(案)

東北志士の会


第一 総則
一 目的
この法律は、東日本大震災復興基本法の基本理念にのっとり、特定原子力事故災害対策に関し、基本原則を定め、及び国の責務を明らかにするとともに、特定原子力事故災害対策を推進するために必要な事項を定めることにより、特定原子力事故災害対策を総合的かつ効果的に推進し、もって東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生を図ることを目的とすること。

二 定義
1 この法律において「特定原子力事故災害」とは、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故(以下「特定原子力事故」という。)による放射性物質の広範囲にわたる放出に伴う当該原子力発電所の周辺地域の住民の健康被害及び農林水産業、観光業その他の産業活動の停滞をいうこと。
2 この法律において「特定原子力事故災害対策」とは、特定原子力事故災害に伴う被害の拡大の防止のための対策及び特定原子力事故災害の収束を図るための対策をいうこと。

三 基本原則
1 特定原子力事故災害対策は、特定原子力事故災害に伴う被害の拡大を防止するとともに、当該被害に係る救済を早期に行う必要があることに鑑み、できる限り迅速に実施されなければならないこと。
2 特定原子力事故災害対策は、関係地方公共団体及び特定原子力事故災害に係る原子力発電所に係る原子力事業者と緊密な連携を図りつつ、これらの者が行う特定原子力事故災害に対する取組の効果が最大限に発揮されるよう、国の責任において、行われなければならないこと。


四 国の責務
国は、三の基本原則にのっとり、特定原子力事故災害対策に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有すること。

五 法制上の措置等
政府は、特定原子力事故災害対策に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならないこと。

第二 特定原子力事故災害対策基本計画等

一 特定原子力事故災害対策基本計画

  1. 政府は、特定原子力事故災害対策に関する施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、特定原子力事故災害対策に関する基本的な計画(以下「特定原子力事故災害対策基本計画」という。)を定めなければならないこと。
  2. 特定原子力事故災害対策基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとすること。
    ① 特定原子力事故災害対策に関する施策についての基本的な方針
    ② 特定原子力事故災害対策に関し、政府が総合的かつ効果的に構ずべき施策
    ③ ①及び②のほか、特定原子力事故災害対策に関する施策を総合的かつ効果的に推進するために必要な事項
  3. 内閣総理大臣は、特定原子力事故災害対策基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないこと。
  4. 内閣総理大臣は、特定原子力事故災害対策基本計画の案を作成しようとするときは、関係行政機関の長と協議するものとすること。
  5. 内閣総理大臣は、3による閣議の決定があったときは、遅滞なく、特定原子力事故災害対策基本計画を国会に報告するとともに、公表しなければならないこと。
  6. 特定原子力事故災害対策基本計画の変更について、所要の規定を定めること。


二 特定区域における工程表
政府は、原子力災害対策特別措置法に基づき緊急事態応急対策を実施すべき区域等において、特に特定原子力事故災害対策を早急かつ計画的に構ずるとともに、速やかに当該区域等における生活環境及び経済基盤の整備を図る必要があることに鑑み、特定原子力事故災害対策基本計画にのっとり、当該区域等における特定原子力事故災害対策に関する工程表を定め、これを公表するものとすること。


第三 特定原子力事故災害対策の推進
一 調査の実施及び公表
国は、放射性物質の濃度若しくは密度又は放射線量の測定及びその影響評価を実施するとともに、その結果を公表するものとすること。

二 国民の理解の促進等

国は、国民が放射性物質及び放射線の影響について正しい理解を深めるよう、正確かつ適切な情報の迅速で分かりやすい形での提供、広報活動の充実その他必要な施策を講ずるものとすること。

三 健康診断の実施等
国は、健康診断及び心身の健康に関する相談の実施、必要な医療の提供その他必要な施策を講ずるものとすること。

四 除染等の実施

国は、一の調査の結果を踏まえ、住民の健康被害を防止し、及び地域の経済活動の促進に資するため、科学的な知見に基づき、放射性物質を除染し、及び放射線量を低下させるため必要な施策を講ずるものをすること。

五 技術の開発及び普及の促進

国は、放射性物質の除染及び放射線量の低下に関する技術の研究開発及びその成果の普及その他の必要な施策を講ずるものとすること。

六 風評被害の防止
国は、放射性物質による汚染の有無又はその状況が明らかになっていないことに起因する農業、加工食品業、観光業、工業等の広範な産業への悪影響を防止するため、農作物、畜産物等に係る放射性物質に係る検査等の実施、当該検査の結果に係る適切な表示その他の情報の収集及び提供並びに広報活動の充実その他必要な施策を講ずるものとすること。

七 迅速な補償の実施

国は、特定原子力事故に係る原子力損害の賠償が迅速かつ適切に行われるよう必要な施策を講ずるものとすること。



八 被災地域の雇用の創出及び活力回復
国は、特定原子力事故災害に伴い被害を受けた地域における産業活動の発達及び活力のある地域社会の実現に資するため、雇用機会の創出、経済基盤の強化又は生活環境の整備のための事業の実施、産業活動の改善に係る支援その他必要な施策を講ずるものとすること。

九 地方公共団体に対する財政措置等
国は、地方公共団体が特定原子力事故災害に対する取組に係る費用について、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるものとすること。

第四 施行期日
この法律は、公布の日から施行するものとすること。